このページは2001年6月に「NAVIちゃんのホームページ」から、著者ご本人にご了承いただき、コピーさせていただいたものです。
骨髄バンクドナー体験記 | |
骨髄バンクに登録したのが8年前。新聞記事を見て私にも出来るかな・・・と思ったのがきっかけ。 何百人〜何万人にひとりの確率で、もし患者さんとマッチしたらそれこそ『血を分けたきょうだいになれる!』 この事が、すっごーく魅力的に感じたのね。 その方と私に、全く同じ血液が流れる事になるんだもん! バンクから、「ドナーに決定しました!」って通知を受けた時は、メチャクチャ嬉しくって、宝くじにあたったみたい!確かに、確率は宝くじなみだよね。 4年前の出来事です。 | |
なびちゃんの健康診断。 血液検査で、ちょっぴりだけ貧血が。えっ!ボツ? 12・0ないといけない基準が、11・8。 でも、鉄分のクスリを飲んで、無事にクリア。ふう、よかった。 少しでもいい状態でいたい。鉄分の多い食べ物を、毎日ムシャムシャ。 先生が、お肉や魚の鉄分は、体に吸収されやすいんだよ、って。 鉄分強化・溶かしてすぐ飲める 授乳期ママの「ママミルク」も飲んだ。 味はイマイチ。 | |
私と患者さん、体は2人のもの!相手の命、預かってるんだもんね。 でも、ごく普通の生活でOK。お酒もタバコも、何でも大丈夫。 お酒は、コップ一杯で幸せの、安上がりなのだ。 もともとタバコは吸わない。 | |
近所の仲良しさんが、「私は、血圧の薬飲んでて また、私の事を、幼稚園のママ達に話してくれたり | |
コーディネーターさん。私のなんでもお世話係。 とっても気さくな方で、いきなり打ち解けて盛上がって?しまった! バンク、お医者さん、ドナーの日程を調整して橋渡しの役目をしてくれる。 彼女は、この時、一度に9人のドナーのコーディネートをやっていたのだ! パワフル〜〜〜! | |
大ボケをかましたーー! 採血のとき、ぎゅっと手を握るでしょ? で、ちくっとやってから、 グーっと、血を採って はい、手を開いて・・・で 反対側の手のひら開いて、どーすんのっ! 看護婦さんに、思いっきり笑われたぞー。 | |
健康診断は、いろいろ、徹底的!!ドナーはお金を払う事がない。 みんな負担してもらえる。病院までの交通費も出た。 その代わり、お金は出ない。休日保証などはなし。 あくまで、ボランティアだもんね。 ←「肺機能検査」してるところ。 | |
お互いに一度だけ、匿名でなら、 私からも、手紙を送ってもらったよ。 | |
手術は全身麻酔で、腰の骨の後ろ側に注射器を刺して骨の中の骨髄液を抜き取る。ジーパンのポケットのあたりね。 手術の間、貧血にならないように自分の血を2回に分けて採っておいて、あとで輸血をして、体に戻すんだよ。 | |
いよいよ、入院。予定では3泊4日。 病院は家から電車で3時間。ちょっと遠かったな・・・ 仕事先の方々も、この日をずらして予定を組んでくれたり お世話になって、感謝! 看護婦さんが、入院、手術の事などの説明をしてくれる。 またまた大ボケ! 「T字帯を売店で買って来て下さい」(手術中に付ける) それってどんなやつなんですか?って聞いたら 「おふんどしみたいなものです・・・」って・・・(^_^;) | |
夕ごはんのあと、明日の麻酔のための注射を打たれる。 明日の手術の事が気になって眠れなくなっちゃうかな・・・と思ったけど、 | |
朝だ!8時、朝食の時間。 なびちゃんに朝ごはんはない。 そのかわり・・・ 看護婦さんが持って来たのは、 巨大な浣腸器だった〜〜! 相部屋の皆さん、どーも失礼っ。 お腹の中をバッチリきれいにしとかなくちゃいけないんで。 ああ、はずかしーーー。 さあ、準備OK!ストレッチャーがやって来た。 | |
生まれて初めての手術室。 銀色に光る機械類がたくさん並んでいる。 広くて大きく、暖かい。まるで厨房のようだ。 音楽が流れている・・・♪マライア・キャリーだ! ブラック・ジャックのような手術室をイメージしていた(?)ので、正直びっくり! 手術台に移され、ヘアキャップを付けられる。 (もっと観察したかったけど、この間ほんの数分・・・) 口に黒いゴムのついたマスクが付けられた。 はい、眠たくなりますよ・・・で、 天井の模様が、ぐにゃっとゆがんだ、と思ったら・・・ あとは全く覚えていない。ほんの一瞬で意識がなくなった。 | |
看護婦さんの「終わりましたよ」の声で目がさめた。 病室のベッドの上だった。 「あー、終わったんだ!」我にかえってホッと一安心。 手術中にのどに管が入っていたので、風邪を引いた時のようにのどの奥がヒリヒリ痛い。 ちょっぴり汗もかいたようだ。 尿道カテーテルが刺さっていて、トイレに行きたいような、行きたくないような少し痛みもあってヘンな感じ。これは気分悪かった・・・ 骨髄をとった腰の後ろは・・・?麻酔で寝ている間に、腰骨に針を刺して中のゼリー状の「骨髄液」を抜くのだ。800cc取ったそうだ。 でも今は、ホカロンを当てて低温やけどになっちゃった様な、じんわりした鈍痛だ。 えーーっ、こんなもの?もっとズッキンズッキン痛いかと思ってたのに、拍子抜け! 腰も包帯でぐるぐる巻きにされているかと思ったら、5cm四方のばんそうこうが、2ケ所ペタンと貼ってあるだけじゃん。 痛みも時間ごとにどんどん範囲が小さくなっていく。 | |
夕食は5分粥だ。おいしかった。 「あ、これ、食べないんですか〜?下さい!」 お隣さんのフルーツまで奪って食べていた。 お腹空いてたんだもん。 食後にカテーテルを抜いてもらう。 | |
次の日、調子がいいので、明日退院の予定なんだけど「今日帰ってもいいですか?」って聞いてみた。 血液検査の結果、なんと早々と退院OKが出てしまった!! 患者さんにも、これで一日分の入院費の負担が軽くなるものね! ドナーにはお金は一切かからない。みんな負担してもらえる。 その代わり休業保証などはない。ボランティアだもんね。 家まで車で3時間、さすがにシートに深く寄り掛かるとちょっと腰が痛かったけど、大した事はない。 | |
腰のうしろ、ジーパンのポケットの上のあたりに5ミリくらいの傷跡が2ケ所。(数カ月で消えちゃった) 傷跡の周りの鈍痛は、次の日にはほとんどなくなっちゃった。 自転車でお買いものに行けたし、 まったく普通通りの生活が戻った。 あっけなく?終わってしまったというのが、正直なところ。 こんなに元気に提供する事が出来たんだからきっと今頃、私の骨髄は、相手の患者さんの体の中で元気な血液を作り始めているんじゃないかな? 改めて、こんないい体験をさせてくれた患者さん、私の新しい弟クンに感謝!感謝!どうもありがとう!! |
NAVIちゃん、コンテンツの提供ありがとうございました。
このページの文章とイラストの著作権は、NAVIちゃんに帰属します。